建築基準法の一部を改正する法律案の概要

2018/5/25up

 

3月6日に閣議決定された「建築基準法の一部を改正する法律案」は、4月11日に参議院で可決され、現在は衆議院で審議中です。今回の改正では、@建築物・市街地の安全性の確保、A既存建築ストックの活用、B木造建築物の整備の推進、Cその他の改正等が主な改正内容となっています。以降で、これらの概要について紹介します。

 

@建築物・市街地の安全性の確保

糸魚川市火災や埼玉県三芳町倉庫火災などを踏まえ、維持保全計画に基づく適切な維持保全の促進等により、建築物の更なる安全性の確保を図るとともに、防火改修・建替え等を通じた市街地の安全性の確保を実現すること等を目的として、次のような改正が予定されています。

 

<施行日:公布の日から1年以内>

  • 維持保全計画の作成が必要となる建築物等の範囲を拡大(大規模倉庫、工場等を想定)。
  • 既存不適格建築物の所有者等に対する特定行政庁による指導及び助言の仕組みの導入。
  • 防火、準防火地域内において、延焼防止性能の高い建築物の建蔽率を10%緩和。

(現行に加え、準防火地域内の耐火、準耐火建築物等の建蔽率を10%緩和)

 

A既存建築ストックの活用

空き家の総数は、この20年で1.8倍に増加しており、用途変更等による利活用が極めて重要です。一方で、その活用に当たっては、建築基準法に適合させるために、大規模な工事が必要となる場合があることが課題とされています。
戸建住宅等の福祉施設等への用途変更に伴う制限の合理化として、空き家等を福祉施設、商業施設等に用途変更する際に、大規模な改修工事を不要とするとともに、手続や制限等を合理化し、既存建築ストックの利活用を促進する目的として、次のような改正が予定されています。

 

 

<施行日:公布の日から1年以内>

  • 戸建住宅等(延べ面積200u未満かつ階数3以下)を福祉施設等とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする。
  • 用途変更に伴って建築確認が必要となる規模を見直し(不要の規模上限を100uから200uに見直し)。
  • 既存不適格建築物を用途変更する場合に、段階的、計画的に現行基準に適合させていくことを可能とする仕組みを導入。(増改築を伴わない用途変更でも、地方公共団体が「全体計画」を認定することで、段階的な改修が可能になる)
  • 既存建築物を一時的に特定の用途とする場合も、新築時の仮設建築物と同様に一部の規制を緩和する制度を導入。

B木造建築物の整備の推進

必要な性能を有する木造建築物の整備の円滑化を通じて、木造に対する多様な消費者ニーズへの対応、地域資源を活用した地域振興を図ることが必要とされています。木造建築物等に係る制限の合理化として、中層木造共同住宅など木造建築物の整備を推進するとともに、防火改修、建替え等を促進するために、次のような改正が予定されています。

 

 

<施行日:公布の日から1年以内>

  • 耐火構造等とすべき木造建築物の対象を見直し。
    (現行:高さ13m超え、軒高9m超え → 改正案:高さ16m超え、階数4以上)
  • 中層建築物(高さ16m超え又は階数4以上)において、木材のあらわし等の耐火構造以外の構造を可能とするよう基準を見直し。
  • 防火、準防火地域内において高い延焼防止性能が求められる建築物についても、内部の壁、柱等において更なる木材利用が可能となるよう基準を見直し。

Cその他

その他、手続や規制等に関して、次のような改正が予定されています。

 

 

<施行日:公布の日から3か月以内>

  • 老人ホーム等の共用の廊下や階段について、共同住宅と同様に、容積率の算定基礎となる床面積から除外する。
  • 例許可を受けた建築物の日影の部分に影響を与えない増築等において、再度の特例許可の手続きを不要とするなど、特例許可手続きの簡素化。
  • 条例による接道規制の強化が可能な建築物の対象拡大。
    (袋路状道路の道路にのみ接する大規模な長屋等の建築物について、条例により共同住宅と同様に接道規制を付加することを可能とする)



 

<施行日:公布の日から3か月以内>

  • 用途制限等に係る特例許可手続の簡素化。
    (特例許可の実績の蓄積がある建築物について、建築審査会の同意を不要とする)
  • 延焼のおそれのある部分の見直し。
    (隣地境界線等と建築物の位置関係に応じ、熱影響を受けにくい部分を除外する)
  • 大規模木造の区画に関する規制の合理化。
    (防火壁に加え、防火床による区画を可能にする)

出典:国土交通省(報道発表資料、社会資本整備審議会資料等)
 

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