建築物省エネルギー法改正の概要
−ライフサイクルカーボン評価制度の導入と第三者認証制度の創設−
2026/09/28up
2026年7月31日、「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律」(令和8年法律第75号)が公布されました。今回の改正では、建築物のライフサイクル全体における脱炭素化の促進を目的として、ライフサイクルカーボン評価制度の創設や第三者認証・表示制度の導入などが盛り込まれています。
改正の背景
国土交通省は、我が国全体の温室効果ガス排出量の約4割を建築分野が占めていることを踏まえ、建築物の資材製造から解体までのライフサイクル全体での脱炭素化を促進するため、本改正を実施しました。
主な改正内容
1.ライフサイクルカーボン評価制度の創設
改正法では、建築物の建設から解体までの各段階において発生する炭素排出量を評価する「建築物通算炭素排出量評価(ライフサイクルカーボン評価)」制度が創設されました。
また、
について、建築物の通算炭素排出量の削減に向けた取り組みを推進する責務(努力義務)が位置付けられています。
出典:国土交通省「【参考資料】建築物のライフサイクルカーボンの削減に向けた制度のあり方について(中間とりまとめ)」
2.一定規模以上の建築物における評価・届出制度
一定規模以上の特定用途建築物については、建築主がライフサイクルカーボン評価を実施し、その結果等を着工前に国土交通大臣へ届け出る制度が創設されました。対象となる用途や規模については、今後、政令で定められる予定です。
出典:国土交通省「【概要】建築物のライフサイクルカーボンの削減に向けた制度のあり方(中間とりまとめ)」
3.建築材料等の炭素排出量情報の表示
建築材料等の製造事業者が、国の定めるルールに基づいて算定した炭素排出量原単位について、その旨を表示できる制度が設けられました。
4.建築物の環境性能に関する第三者認証制度
建築主等は、建築物の環境性能(ライフサイクルカーボンまたは省エネルギー性能)について、国土交通大臣の登録を受けた機関による認証を受けることができます。
また、認証を受けた建築物については、認証に係る標章を建築物や広告等に表示することができます。
5.先導的な省エネルギー技術に関する認定制度
特殊な構造または設備を用いた建築物について、国土交通大臣が建築物エネルギー消費性能誘導基準と同等以上の性能を有すると認定する制度が創設されました。
認定を受けた建築物は、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定対象とされ、容積率に関する特例の対象となります。
法律名称の変更
今回の改正に伴い、法律名称は以下のとおり変更されました。
改正前
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律
改正後
建築物のエネルギー消費性能の向上及び脱炭素化の促進に関する法律
参考資料