建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)に係る質疑応答集

2020/1/27up

令和元年12月20日時点として、建築基準法の一部を改正する法律に係る質疑応答集が国土交通省のウェブサイトに掲載されました。ここでは、当初「平成30年改正建築基準法に関する説明会(第3弾)【審査者向け】Q&A」として掲載されていたものから新たに追加されている内容を掲載しました。

(Q&Aの全体は、こちらで確認できます(国土交通省ウェブサイト)http://www.mlit.go.jp/common/001320979.pdf

○防火・避難・一般構造規定関係
(規模の観点に係る主要構造部規制の合理化)

通常火災終了時間は建築物の規模や用途によって決まるのか。 建築物の構造、建築設備及び用途や立地等の条件より算出される時間となります。具体的な算出方法は今後告示にて規定する予定です。
法21条では高さ13m軒高9mの規定がなくなり、高さは16mのみとなるが、構造規定の法第20条や令第36条は現行のまま変更は無いのか。 構造規定については規制対象となる高さの規定に変更はありません。
「通常より厚い木材による壁・柱等」とあるが、具体的な厚みは新たな告示で示されるのか。 法第21条に基づく告示(令和元年国土交通省告示第193号)において、75分間準耐火構造の燃えしろ寸法を、主要構造部及び用いる接着材の種別に応じて規定しております。
法第21条について、高さ16m超える建築物とされているが、16m以下の取り扱いについてはどこに記載があるのか。 高さ16m以下かつ階数3以下の建築物であれば法第21条の規定の適用は受けないこととなります。
廊下等の部分に排煙設備の設置が明示されているが、当該部分に平成12年告示1436号による緩和は適用できないということでよいか。 貴見のとおりです。
法第21条第1項の改正により、規制対象となる建築物が、「高さ13m超又は軒の高さ9m超」から「高さ16m超又は地階を除く階が4以上」となったが、軒の高さによる規定は無くなったのか。 技術的検討を踏まえ、倉庫や自動車車庫等を除き、高さ16m以下かつ地階を除く階数が3以下である建築物であれば、通常の火災による建築物の倒壊及び延焼を防止する上で問題無いことが判明したため、軒の高さによる規定は無くすこととしました。

(立地の観点に係る主要構造部規制の合理化)

耐火建築物相当の延焼防止建築物は用途及びその一建築物の部位により45分から90分の準耐火構造を求められるが、メンブレン工法による被覆をした構造は可能であるか。 必要な性能を有する構造であればその構造の工法は問いません。各々告示にて定められる構造又は大臣の認定を受けた構造とする必要があります。
75分間準耐火構造及び90分間準耐火構造の仕様は告示にて規定されるのか。 それぞれ、法第21条に基づく告示(令和元年国土交通省告示第193号)及び法第61条に基づく告示(令和元年国土交通省告示第194号)において規定しています。
従来の防火設備は「20分」と「60分」だったが、今回の改正で、「10分」「30分」が追加されている。10分、20分、30分、60分の4パターンでの運用になるのか。 今回の改正により、従来の20分間又は60分間の遮炎性能を有する防火設備以外に、10分間や30分間等の遮炎性能有する防火設備を位置付けました。それ以外の時間区分の防火設備について、大臣認定を取得される場合にあっては、指定性能評価機関にご相談して下さい。
「子ども・子育て支援法等の施行に伴う幼保連携型認定こども園の建築基準法上の取扱い等について(技術的助言)」(平成27年2月13日)において、幼保連携型認定こども園は、幼稚園及び保育所と同じ規制(基準が異なる場合にはより厳しい方の規制)を適用する必要がある、とされている。法第61条の告示の表において、保育所は表二(二)、幼稚園は表二(一)となり、それぞれ厳しい方の規制とすると、幼保連携型認定こども園の外壁と軒裏は、90分間準耐火構造以上となる理解でよいか。 貴見のとおりです。
旧令第136条の2においては、第六号で「床(最下階の床を除く。)又はその直下の天井の構造が、(略)」と、第七号で「屋根又はその直下の天井の構造が、(略)」となっており、昭和62年建設省告示第1905号第3で床の構造方法を、第4で床の直下の天井の構造方法を、第5で屋根の構造方法を、第6で屋根の直下の天井の構造方法を規定していたが、令和元年国交省告示第194号第4第一号イにおいては、(4)で「床は、(略)」、(5)で「床又は(略)の直下の天井は、(略)」、(6)で「屋根は、(略)」、(7)で「屋根の直下の天井は、(略)」と並列で規定されていることから、床又は床の直下の天井及び、屋根又は屋根の直下の天井のそれぞれ両方について基準への適合が求められるということか。 従来通り、床又は床の直下の天井及び屋根又は屋根の直下の天井のいずれかを基準に適合させればよいものとして扱って差し支えありません。
90分間準耐火構造と1時間耐火構造では1時間耐火構造の方が性能が高いと考えてよいか。 いずれかがもう一方の性能を包含する関係にはありません。
従来の法第61条第2号の「卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料でつくられたものその他これらに類する構造でこれらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するもの」は、今回の改正により、令和元年国土交通省告示第194号に位置付けられたが、規制の内容に変更はないと考えてよいか。 貴見のとおりです。

(準耐火構造の位置づけの明確化に伴う見直し)

75分間又は90分間準耐火構造の壁等の開口部又は区画貫通部等の処理は、「木造建築物の防・耐火設計マニュアル」(平成29年一般財団法人日本建築センター発行)の中で示されている、準耐火構造の開口部の処理を参考とすればよいか。 今回新たに規定した従来よりも長い時間の性能を有する準耐火構造の壁又は床の貫通部等に設置する防火被覆の施行については、同マニュアルの防火区画を構成する耐火構造の部分を参考にしてください。また、被覆等の種類及び厚さは、当該主要構造部に設けられるものと同等以上のものとするよう留意ください。なお、同内容を施行通知においてもお示ししております。

(小規模建築物の主要構造部規制の合理化)

延べ面積が200m²未満の木造三階建て共同住宅を計画する際、従来の平成27年告示第255号第1第2号に適合させる方法のほか、政令で定める技術的基準に従って警報設備及び令第112条第12項の竪穴区画を設置する方法も選択できるという理解でよいか。 貴見のとおりです。

(小規模建築物における竪穴区画)

特定小規模特殊建築物については令第112条で防火設備や煙感自動閉鎖機構を求められているが、令第16条第3項第2号より、200m²以下の建築物に設けられる防火設備に対しては定期報告が必要とはならないのか。 特定小規模特殊建築物の規模では、政令で一律に定期報告の対象とはしていませんが、特定行政庁が指定した場合にあっては報告の対象となります。
令第112条第11項に規定される「スプリンクラー設備その他これに類するもの」には、パッケージ型自動火災消火設備は含まれるか。 パッケージ型自動火災消火設備は本規定において必要とされる消火性能を有していることが確認できていないため、現時点ではこのスプリンクラー設備としては該当しないものと考えております。

(区画の方法としての防火床の追加)

木造の床でも、所要の措置を講じることで防火床とすることは可能か。 可能です。

(遮音界壁)

法第30条の天井の構造方法としてせっこうボード9.5mm+10mm厚吸音材が定められている一方で、令第114条の強化天井の仕様と整合していないが、どの様な技術的基準となるのか。 法第30条の天井の構造方法として定められる「せっこうボード」は、平成28年国土交通省告示694号で強化天井の構造方法として定められる「強化せっこうボード」を含むものです。
法第30条第2項を適用するにあたり、天井に開口を設けて設置する機器等については、大臣認定を受けたものとしなければならないのか。 告示の仕様は、一定のダウンライト用の開口を想定した一般的な天井の仕様を前提に定めていますが、個別の建築計画に対する告示の適用については、特定行政庁において判断されることになります。
機器等を天井下部に設置して、配線等のみが天井を貫通することは、告示仕様に適合しているといえるか。 告示の仕様は、一定のダウンライト用の開口を想定した一般的な天井の仕様を前提に定めていますが、個別の建築計画に対する告示の適用については、特定行政庁において判断されることになります。
界壁につけるスイッチ・コンセントボックス、遮音性能天井にダウンライト等の開口部をとることは想定されているか。 告示の仕様は、一定のダウンライト用の開口を想定した一般的な天井の仕様を前提に定めていますが、個別の建築計画に対する告示の適用については、特定行政庁において判断されることになります。
共同住宅の界壁の考え方で、防火・遮音性能での緩和は理解出来るが、界壁を小屋裏まで達せないものの防犯性能については検討しているか。 建築基準法で共同住宅又は長屋の界壁に求める性能は、衛生上の観点での遮音性能と、住戸間の延焼防止の防火の性能であり、防犯性能を担保させるための規制ではございません。

(定期報告の対象の見直し)

維持保全計画の作成対象の見直しについて、既存不適格建築物も対象となるか。 法第8条より、維持保全計画の作成については、建築物が既存不適格建築物かどうかに関わらず、対象となる建築物の所有者が必要に応じて作成するものです。
維持保全計画の作成について、用途コードが08340の食品工場において、倉庫部分が3,000m²を超えた場合は、作成対象となるか。 貴見のとおりです。
維持保全計画の作成対象として、3,000m²超の倉庫、自動車車庫等が追加され、特定行政庁の指定状況によっては法第12条の定期報告の対象とのずれが生じることになるが、定期報告義務は無い中で、あらたに維持保全計画作成の対象となった倉庫や自動車車庫等の所有者等にどのように周知し、計画作成を担保してゆくのでしょうか。 延べ面積50,000m²を超える大規模倉庫の所有者又は管理者に対して維持保全計画の作成を行ったかどうか、報告を求めるよう、施行通知において各特定行政庁に対し依頼をしております。
法第12条の定期報告では、100m²超200m²以下の特殊建築物を政令指定の建築物からは外した一方で、法第8条の維持保全計画では、同建築物を政令指定とした理由は何か。 別表第1(い)欄(一)項から(四)項に掲げる用途に供する建築物で、その床面積が100m²を超200m²以下である階数が3以上の建築物については、非常用進入口の設置等の防火避難規定が適用されるが、建築後に適切に維持管理されていない場合にあっては、必要な避難安全性を確保できない可能性があることから、維持保全計画の作成対象として政令に位置付けることと致しました。一方、定期報告の対象としては、令第14条の2に位置付けることによって、特定行政庁が指定した場合に定期報告の対象とすることができることとしました。

○総則・手続関係
(仮設建築物・仮設工作物に係る法第37条の適用除外)

平成12年建設省告示1347号第一第1項第4号で法第85条第2項、第5項又は第6項に規定する仮設建築物(法第6条第1項第二号及び第3号に掲げる建築物を除く)について、令第38条第3項における基礎の構造規定が除外されているが、令第38条第1項に適合する基礎は必要か。 貴見のとおりです。
法第85条第2項、第5項又は第6項に規定する仮設建築物(法第6条第1項第二号及び第3号に掲げる建築物を除く)で、鉄骨造の建築物について、基礎と柱脚の緊結は必要か。 令第66条に基づき、構造耐力条主要な部分である柱の脚部は基礎に緊結する必要がある。法第85条第2項、第5項又は第6項に規定する仮設建築物(法第6条第1項第二号及び第3号に掲げる建築物を除く)については平成12年建設省告示1456号の適用が除外されています。

(用途変更に伴う建築確認対象の見直し)

用途変更の時点において旧法第6条第1項第1号に該当し、確認の申請が必要であるにも関わらず手続違反をして用途変更をしていた建築物について、改正法第6条第1項第1号に該当しない場合、施行日以降は法第87条第1項に係る既存不適格建築物となるのか。 なりません。
今回の改正により、用途変更における確認申請が不要となる場合であっても、建築基準法の技術的基準に適合させることは引き続き必要か。なお、その際、用途変更後の用途に適用される規定への適合及び用途変更に際して既存不適格が遡及適用される規定への適合は必要か。 貴見のとおりです。

(建築確認等の電子化の促進について)

確認申請書の第一面について、申請者氏名及び印の欄があるが、写しの提出が認められるか。 認められません。なお、確認申請書の第一面に記載する申請者氏名及び印は、代理者によって確認の申請を行う場合にあっては、建築主ではなく代理者のものでも構いません。
今回の改正により、委任状の原本をコピーしたものの紙媒体を提出することは可能となるのか。 貴見のとおりです。

○集団規定関係
(接道規制に係る特例許可手続きの簡素化(法第43条第2項関係))

法第42条第1項第3号及び同条第2項の道路の定義は、どのように改正されたのか。 法第42条第1項第3号及び同条第2項の道路の定義については、内容を明確化したものであり、従来の定義から内容の変更はありません。なお、改正以前の既存道路の扱いについては、経過措置として附則第2条において規定しています。
避難及び通行の安全上必要な道に関する基準として、位置指定道路の基準が挙げられているが、基準に適合するのであれば法第42条第1項第5号の指定を受けるべきではないか。 制度の趣旨を踏まえると、位置指定基準に適合する道については、位置指定を行うべきであると考えております。(位置指定道路の基準に適合しているものの、当該道を道路とすることについて土地の所有者等の同意が取れない場合には認定制度を活用することが考えられます。)
法第43条第2項第1号の認定を受けて建築された一戸建て住宅について、用途変更する場合は、認定条件から外れるため再度許可が必要となるということでよいか。 貴見のとおりです。
許可の場合、条件を付して許可することができるが、認定となった場合、同様の扱いができるのか。 認定にあたり、許可のように条件を付すことはできませんが、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上の観点から認定基準等を設けることは可能です。

(接道規制の強化が可能な建築物の対象拡大(法第43条第3項関係))

法第43条第3項に基づき接道規制が条例で強化された場合、規制の対象となる既存建築物は法第40条の既存不適格になるのか。 ご質問の場合については、法第43条第3項の既存不適格となります。
法第43条第3項第5号について、延べ面積を150m²とした根拠は。 特殊建築物に該当しない長屋について、各住戸の面積が狭いものであれば、賃貸マンションの棟当たりの平均戸数と同等程度の戸数を有する可能性があるためです。

(容積率規制の合理化(法第52条第3項、第6項関係))

特別養護老人ホームの個室タイプの場合、各ユニット内の廊下状部分も容積率の算定基礎となる床面積から除外されるのか。 個室ユニット内の共用で用いられない廊下状部分については、共同住宅の専用部分と同様に、容積率の算定となる床面積から除外することはできません。

(日影規制の適用除外に係る手続きの合理化(法第56条の2第1項関係))

増築等により平均地盤面が下がる場合は、再度許可が必要となるのか。 貴見のとおりです。

(用途規制の適用除外に係る手続の合理化・建築物の用途の制限に係る特定許可手続の簡素化(第48条第15項、第16項、第17項関係))

法第48条第16項第2号の政省令に適合する場合であっても、建築審査会の同意を得ることとしてよいか。 法上は、政省令の基準に適合するものの建築について特例許可をする場合に、建築審査会の同意は不要となります。

(延焼防止性能を有する建築物の建蔽率制限の緩和(法第53条第3項、第6項第一号、第7項、第8項関係))

法第53条第5項第1号に「避難上及び消火上必要な機能の確保を図るため」に壁面線を指定とあるが、法第46条においては、このようなニュアンスはない。前面道路の境界線から後退した壁面線を指定した場合全てにおいて、建蔽率が緩和されることになるのか。 今般の改正においては、火災時の避難や消火活動を容易とすることを目的として、避難上及び消火上必要な機能の確保の観点から壁面線を定めた場合等に限り、建築物の建蔽率を緩和できることとしたところです。