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建築基準法施行令第147条の一部政令改正および令和4年告示第1024号の制定について(概要)

2022/10/25up

「建築基準法施行令第147条」の一部が改正(令和4年9月2日公布、同年10月1日施行)され、これと併せて「構造及び周囲の状況に関し安全上支障がない鉄筋コンクリート造の柱等の基準を定める件」(令和4年国土交通省告示第1024号。以下「告示第1024号」という。)が制定されました。
制定告示は、令和4年9月30日公布、同年4月1日施行です。

1.政令改正および告示第1024号の概要

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令」という。)第147条第3項から第5項までが改正され、高さ60m超の工作物であっても、存続期間が2年以内で、構造および周囲の状況に関し安全上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合するものであれば、時刻歴応答解析およびそれに係る大臣認定並びに構造関係規定の一部の規定等の適用が除外され、構造及び周囲の状況に関し安全上支障がないものの基準を告示第1024号に定められました。その対象は、令第138条第1項第2号に掲げる工作物で高さが90m以下のものであり、風況観測塔のような簡易な構造形式を想定しています。

2.周囲の状況について

周囲の建築物、建築基準法(昭和25年法律第201号)第88条第1項および第2項に規定する工作物(平成23年国土交通省告示第1002号に規定するものを含む。)、同法第42条第1項各号に掲げる道路または農道その他これに類する公共の用に供する道までの距離が風況観測塔等の高さの2倍に相当する距離以上であることとしていますが、これは存続期間中に想定される地震等を超える大規模な地震等の発生により仮に支線が外れた場合に、周囲の建築物等や、道路等を通行する人等への被害の及ぶ範囲を考慮するものです。告示第1024号第2第2号のただし書の規定に基づく、安全上支障がない場合の判断に当たって参考としてください。具体的には支線が外れた場合においても、周囲の建築物等や、道路等を通行する人等への被害の及ぶ範囲が限定的となる措置を講ずることが確かめられた場合などが想定されています。
また、風況観測塔等の高さの2倍に相当する範囲内に建築物等がないことの確認に当たっては、建築基準法施行規則(昭和25年建設省令第40号)第3条の表1に掲げる図書の配置図、付近見取図において「申請に係る工作物の位置並びに申請に係る工作物と他の建築物及び工作物との別」等が明示すべき事項とされており、確認申請時における当該図書により確認すること、完了検査時における目視、写真等により確認することが考えられています。

出典:
「建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(規制改革関連)(技術的助言)」(令和4年10月11日 国住指第288号)