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建築基準法施行令等の改正について

2022/11/22up

脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律が、令和4年6月17日に公布されました。建築物分野の省エネ対策の徹底、吸収源対策としての木材利用拡大等を通じ、脱炭素社会実現の寄与が目的であり、建築基準法の一部も改正されています。これに伴い、建築基準法施行令など関係する政省令についての所要の改正が11月に公布され来年4月に施行される予定です。

建築基準法施行令の改正

改正される政令の概要は次のとおりです。

(1)面積、高さ等の算定方法(令第2条関係)

階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分について、建築物の高さに算入する場合(北側の前面道路または隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)として、改正後の建築基準法第58条第2項に規定する高さを算定する場合を追加し、5mまでは建築物の高さに算入しない場合として、基準法第55条第3項に規定する高さを算定する場合を追加。

(2)居室の採光(令第19条関係)

住宅の居住のための居室に関する法第28条第1項の政令で定める割合(居室の床面積に対する採光に有効な窓その他の開口部の面積の割合)は、原則として7分の1とするとともに、国土交通大臣が定める基準に従い、照明設備の設置等の措置が講じられているときは、7分の1から10分の1までの範囲内において国土交通大臣が別に定める割合とする。

(3)容積率既存不適格建築物の増改築を許容する範囲(令第137条の8関係)

既存不適格建築物について、下記の範囲内で増築または改築を行う場合には、容積率規制を適用しない。
※新たに緩和の対象となるのは太字部分
①増築または改築に係る部分が増築または改築後においてエレベーターの昇降路の部分(当該エレベーターの設置に付随して設けられる共同住宅または老人ホーム等の共用の廊下または階段の用に供する部分を含む。)、改正法により新設された法第52条第6項第3号の規定による認定を受けた機械室等の部分、自動車車庫等部分、備蓄倉庫部分、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分、貯水槽設置部分または宅配ボックス設置部分。
②増築前におけるエレベーターの昇降路の部分、共同住宅または老人ホーム等の共用の廊下または階段の用に供する部分、改正法により新設された法第52条第6項第3号の規定による認定を受けた機械室等の部分、自動車車庫等部分、備蓄倉庫部分、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分、貯水槽設置部分および宅配ボックス設置部分以外の部分の床面積の合計が基準時における当該部分の床面積の合計を超えないもの。
③増築または改築後における自動車車庫等部分の床面積の合計、備蓄倉庫部分の床面積の合計、蓄電池設置部分の床面積の合計、自家発電設備設置部分の床面積の合計、貯水槽設置部分の床面積の合計または宅配ボックス設置部分の床面積の合計が、令第2条第3項各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ、増築または改築後における当該建築物の床面積の合計に当該各号に定める割合を乗じて得た面積を超えないもの。

(4)その他所要の規定の整備

建築基準法施行規則の改正

省令では次のような項目が改正、新設されます。

(1)建築確認申請時の添付書類の追加(規則第1条の3関係)

(2)容積率の算定の基礎となる延べ面積に不算入となる機械室等について(新設)

(3)容積率制限の緩和を受ける構造上やむを得ない建築物について(新設)

(4)建蔽率制限の緩和を受ける構造上やむを得ない建築物について(新設)

(5)第一種低層住居専用地域等内における建築物の高さ制限の緩和を受ける構造上やむを得ない建築物について(新設)

(6)高度地区内における建築物の高さ制限の緩和を受ける構造上やむを得ない建築物について(新設)

(7)その他所要の規定の整備

施行:令和5年4月1日

改正法について

国土交通省ウェブサイト:脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について

出典:
「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政省令の整備について」(令和4年9月 国土交通省住宅局)