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省エネ適判時申請書類(計画書の書き方、設計内容説明書や計算書、設計図書の明示事項等)

更新日:2023/7/20
※2019/4/17に公開した記事を再編集しています

「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号/最終改正令和4年6月17日法律第69号)」(以下「建築物省エネ法」)における規制措置(適合義務(適合性判定)および届出)のうち、適合義務(適合性判定)における申請図書について説明します。

建築物省エネ法の概要

適合義務(省エネ適合性判定)の対象となる建築物が省エネ基準に適合していることを担保するため、建築主は所管行政庁または登録省エネ判定機関に建築物エネルギー消費性能確保計画(以下「省エネ計画」)を提出し、建築物エネルギー消費性能適合性判定(以下「省エネ適判」)を受け、省エネ基準に適合している旨の通知書(適合判定通知書)の交付を受けることが必要となります。
省エネ計画に必要な図書の部数や内容は以下のとおりです。

省エネ適判における計画書、変更計画書、軽微該当証明申請書はそれぞれ(第一面)が異なり、それ以降の書式は基本的に同じです。ただし、軽微変更該当証明申請書では(第六面)および(第七面)がありません。
当コラムでは計画時、軽微該当証明申請時および変更計画時の計画書は共通で「省エネ計画書」として、建築確認申請における申請時および計画変更時の計画書は共通で「確認申請書等」として説明します。

㋐必要部数:正本+副本 2部

※当社に提出いただく場合は控本の提出をお願いする場合があります。

㋑計画書

委任状(各手続きを建築主以外が行う場合に必要)

委任状は、委任年月日、委任者(委任する人)となる建築主等、受任者(委任される人、代理者)となる建築士または行政書士、委任する内容(手続きの法律や業務の内容)、建築場所等を明示する項目です。

特定建築物の基準適合は建築物省エネ法第11条で建築主に課せられた義務となりますので、建築主は規制措置に係る業務を行わなければなりません。ただし、建築確認検査と同様に建築士法第21条および行政書士法第1条の3より建築士と行政書士は手続きの代理業務を行えます。このとき、建築主は建築士または行政書士のいずれかに法律上必要な業務を委任し、手続きを代行させることができますが、その委任した内容を明示した委任状を提出する必要があります。一般的に委任する先は建築士となる場合がほとんどで、その建築士は代理者という扱いになり、計画書(第二面)【2.代理者】に記載されます。

法律行為における委任は民法第643条で規定されますが、その書き方については規定されていません。ただし、委任状は白紙委任状で見られる委任内容の改変など、その委任内容を勝手に変えられてしまう問題を内包しています。委任状の誤記訂正等を含めた訂正の方法は、委任者(建築主等)と受任者(代理者)間で打ち合わせのうえで対応いただくことが望ましいです。

委任状

①「年月日」は委任した日を記載します。

②「建築主等」は委任者の住所氏名を記載する項目で、確認申請書(第二面)および省エネ計画書(第二面)の【1.建築主】と整合しなければなりません。

③「1. 代理者」は受任者の氏名を記載する項目で、省エネ計画書(第二面)の【2.代理者】と整合しなければなりません。

④「2. 申請の区分(該当する項目全ての□枠内にレ印)」は委任者が受任者に委任する内容を記載します。委任事項を確認するため、当機関では「建築物省エネ法の規定」による手続きであることの明記をお願いしています。

⑤「3. 建築場所(地名地番)」は確認申請書(第三面)および省エネ計画書(第三面)【1.地名地番】と整合しなければなりません。その記載は都道府県を省略せずに記載してください。

計画書(以下「省エネ計画書」)

省エネ計画書は確認申請書等と関連する項目が多く、その多くの整合性が求められます。省エネ計画書は添付の設計図書等への明示と整合性が求められます。省エネ計画書だけではなく、委任状や設計内容説明書にも共通することですが、明示する地名地番や各住所は都道府県から省略することなく記載してください。

(第一面)
計画書(第一面)

提出年月日、提出者、設計者を記載し、申請先および規制の対象となる法文の明示する項目です。 完了検査については建築物省エネ法では規定はありませんが、建築基準法関係規定に該当するため、建築確認検査における完了検査において省エネ計画の内容も検査されます。

省エネ適判の申請先は、所管行政庁または登録省エネ判定機関となります。ところが、完了検査は建築主事または指定確認検査機関となります。よって完了検査申請時には、建築主事または指定確認検査機関に省エネ適判に要する図書および書類のうち、具体的な省エネ措置等が示された図書等(設計図書や根拠資料など)を提出する必要があります。

ただし、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の施行について(技術的助言)(平成29年3月15日付国住建環第215号)」2.(3)@より、完了検査を行う建築主事または指定確認検査機関と省エネ適判を行う所管行政庁または登録省エネ判定機関が同一の会社等である場合は、申請者を含めた関係者間で事前に調整を行えば、省エネ適判に要した図書等を完了検査で利用できるようになります。

ビューローベリタスに建築確認検査も省エネ適判も申請、なおかつ同意する場合、(第一面)にあるチェック欄にチェックを入れていただければ、完了検査時に別途図書を提出する手間を省くことができます。

(第二面)

建築主、代理者、設計者、確認申請の状況、物件名称を記載する項目です。

計画書(第二面)

①【1.建築主】は確認申請書等と同様になります。

②【2.代理者】は建築主から建築確認検査とは別に委任を受けるので、確認申請書等と一致する必要はありません。

③【3.設計者】は省エネ適判で必要となる図書に係る設計者のみ記載が必要となります。構造図および構造計算書、構造や設備の法適合などは建築物省エネ法では不要のため、記載する必要はありません。(代表となる設計者)の【ト.作成した設計図書】は設計内容説明書、支援ツール計算結果など意匠図以外の図書も含まれるため、「申請図書一式」などと記載しても問題ありません。なお、(代表となる設計者)の【ト.作成した設計図書】の記載内容は、所管行政庁または登録省エネ判定機関によって求める内容が異なる場合があります。

④【4.確認の申請】は申請建物、または申請建物を含む確認申請書等を申請済か未申請かを記載する項目です。申請済(受付済み)や未申請のどちらの場合においても(カッコ内)に申請先機関名およびその所在地(都道府県+市町村区名)を記載が必要です。特に、当社など複数の事務所が有る場合、いずれかの事務所かを特定できるように記載してください。

⑤【5.備考】は物件名称を記載してください。1敷地に複数棟を建築する場合は物件名称末尾に棟名称を追加し、申請棟を特定できるように明示ください。

(第三面)

建築物およびその敷地に関する事項を記入する項目です。

計画書(第三面)

①【1.地名地番】は確認申請書等(第三面)の内容を記載します。都道府県から記載してください。建築場所の地名地番が多岐にわたる場合などで「他○筆」などと省略する場合がありますが、その場合は【12.備考】などに明示し、省略内容が確認できるように記載します。ただし、確認申請書(第三面)の記載が省略されていない場合は省エネ計画書も合わせて省略しない記載としてください。

②【2.敷地面積】は確認申請書等(第三面)の内容を記載します。

③【3.建築面積】は申請棟のみの建築面積を記載します。確認申請書等(第三面)と一致しない場合がありますが、添付の設計図書(求積図)と整合しなければなりません。

④【4.延べ面積】は申請棟のみの延べ面積を記載します。確認申請書等(第四面)と一致しない場合がありますが、添付の設計図書(求積図)と整合しなければなりません。

⑤【5.建築物の階数】は確認申請書等(第四面)の内容を記載します。

⑥【6.建築物の用途】は「非住宅建築物」または「複合建築物」のいずれかを選んでチェックします。「複合建築物」とは「住宅用途+非住宅用途」の複合建築物を意味します。

⑦【7.工事種別】は「新築」、「増築」または「改築」のいずれかを選んでチェックします。確認申請書等(第四面)の記載に整合させます。敷地内増築で棟としては新築である場合「新築」にチェックします。

⑧【8.構造】は確認申請書等(第四面)の内容を記載します。

⑨【9.該当する地域の区分】は国土交通省告示第245号の別表第10に示される省エネルギー基準地域区分を記載します。用途地域では無いので注意が必要です。

⑩【10.工事着手予定年月日】は適合判定通知書等交付日と同日またはそれ以降の日付を記載します。

⑪【11.工事完了予定年月日】は確認申請書(第三面)の内容を記載します。

(第四面)

建築計画概要書(第三面)の記載内容に準じて作成ください。

計画書(第四面)

・【1.付近見取図】は近隣の状況が分かる図面とし、方位・道路・目標となる地物を明示ください。図面は鮮明な状態とし、縮尺上どうしても不明確な状態になる場合は別紙としても問題ありません。別紙とする場合は原則A4版で作成し、(第四面)の次項に添付ください。

・【2.配置図】は敷地の状況が分かる図面とし、方位・縮尺・敷地境界・接道する道路種別・敷地に対する計画建物の配置・縮尺・方位・敷地境界線・道路境界線・敷津内における建築物の位置・計画に係る建築物と他の建築物との別・敷地に接する道路の区分名称および幅員を明示ください。図面は鮮明な状態とし、縮尺上どうしても不明確な状態になる場合は別紙としても問題ありません。別紙とする場合は原則A4版で作成し、(第四面)の次項に添付ください。

(第五面)

申請建物における非住宅用途部分における面積や評価方法およびその結果を明示する項目です。

計画書(第五面)

①【1.非住宅部分の用途】は確認申請書等(第四面)に記載の用途番号および用途名称を記載します。この用途番号が確認申請上変更になると、建築物省エネ法の計画変更に該当する場合があります。

②【2.非住宅部分の床面積】のうち、(床面積)は非住宅部分の延べ面積を記載し、(開放部分を除いた部分の床面積)は非住宅部分の(開放部分)の面積を除く面積となります。【イ.新築】は新築部分を、【ロ.増築】は既存+増築部分と増築部分を分けて、【ハ.改築】は全体と改築部分を分けて記載します。これは建築物省エネ法第11条で規定される規模を確認する項目です。

③【3.基準省令附則第3条の適用の有無】は増築もしくは改築時に、既存部分が法の施行の際(平成28年4月1日)に現に存する建築物である場合で緩和規定を利用する場合は、「有」をチェックし、竣工年月日を記載して完了検査済証の写しなどを添付する、その他の場合は「無」にチェックします。「法の施行の際に現に存する建築物」とは、平成28年3月31日までに完了検査済証が交付されている建築物を示します。

④【4.非住宅部分のエネルギー消費性能】は標準入力法・主要室入力法およびモデル建物法で入力の内容が異なります。標準入力法・主要室入力法で評価を行った場合、「基準省令第1条第1項第1号イの基準」にチェックを行い、計算結果に記載の「基準一次エネルギー消費量(その他を含む)」および「設計一次エネルギー消費量(その他を含む)」の値を記入し、BEI値(その他を除く)を記入します。

平成28年4月1日時点で現に存する建築物の増改築 平成28年4月1日後、平成29年4月1日以前に建築された建築物の増改築 平成29年4月1日後に建築された建築物の増改築
既存部分の
BEIの算出
既存建築物のエネルギー消費性能について(技術的助言、令和2年11月2日付け国住建環第23号)において示しているとおり。
増改築部分の
BEIの算出
増改築部分の外皮および設備の仕様を入力してBEIを算出する。
※増改築部分全体が計算対象とならない場合は、本来はBEIを算出することは出来ないが、便宜上、増改築部分のBEIを1.0として建築物全体を評価してもよい。
建築物全体の
基準適合の判断
BEI ≦ 1.1 となればよい BEI ≦ 1.0 となればよい
適合の義務 増改築のうち非住宅部分の面積が300u以上かつ増改築後の非住宅部分の全体面積の1/2超の増改築の場合であれば基準適合義務の対象。 増改築のうち非住宅部分の面積が300u以上かつ増改築後の非住宅部分の床面積が300u以上であれば、基準適合義務の対象。

出典:国土交通省 国土技術政策総合研究所/国立研究開発法人 建築研究所「モデル建物法支援ツール解説)」

⑤【5.備考】は基本的に入力不要です。ただし、申請棟に評価対象部分がない場合などで支援ツールによる計算結果が作成されない場合はその旨を記載し、【4.非住宅部分のエネルギー消費性能】で「基準省令第1条第1項第1号イの基準(またはロの基準)」にチェックを入れ、BEI=( - )と記入ください。

(第六面)※軽微変更該当証明申請書では書式としてありません。

申請建物における住宅用途部分における面積や評価方法およびその結果を明示する項目です。

計画書(第六面)

①【1.建築物の住戸の数】は確認申請における住戸数を記載します。

②【2.住宅部分の床面積】のうち(床面積)は住宅部分の延べ面積を記載し、(開放部分を除いた部分の床面積)は住宅部分(開放部分)の面積を除く面積となります。【イ.新築】は新築部分を、【ロ.増築】は既存+増築部分と増築部分を分けて、【ハ.改築】は全体と改築部分を分けて記載します。

③【3.基準省令附則第2条の適用の有無】は所管行政庁が認定をした場合は「有」にチェックし、認定がない場合は「無」にチェックします。

④【4.基準省令附則第4条の適用の有無】は増築もしくは改築時に既存部分が法の施行の際(平成28年4月1日)に現に存する建築物である場合で緩和規定を利用する場合は、「有」をチェックのうえ、竣工年月日を記載して完了検査済証の写しなどを添付、その他の場合は「無」にチェックします。

⑤【5.住宅部分のエネルギー消費性能】は住宅部分の面積が300u以上の場合のみ記載します。「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム(国立研究開発法人建築研究所)」による評価を行った場合は、上段のチェックボックスにチェックし、その結果を記載します。一次エネルギー消費量に関する仕様基準で行った場合は、中段のチェックボックスをチェックし、その結果を記載します。「国土交通大臣が認める方法およびその結果」で行った場合は下段のチェックボックスにチェックをし、その内容を記載します。

(第七面)※軽微変更該当証明申請書では書式としてありません。

各住戸に関する評価の結果を記載する項目で、それぞれの住戸について個別に記載する必要があります。住宅部分の面積が300u以上の場合のみ記載します。

計画書(第七面)

①【1.住戸の番号】は該当する住戸番号を記載します。

②【2.住戸の存する階】は該当する住戸が存する階数を記載します。

③【3.専用部分の床面積】は該当する住戸の床面積を記載します。

④【4.住戸のエネルギー消費性能】は該当する住戸の「外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する事項」および「一次エネルギー消費量に関する事項」を記載します。
「外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する事項」は、性能基準(国土交通省告示第265号「非住宅・住宅計算方法」)による評価の場合は上段にチェックをし、その結果を記載します。仕様基準(外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する仕様基準)の場合は中上段にチェックをし、認証や外皮計算を用いない場合は中下段にチェック、その他基準対象外の場合は下段にチェックします。
「一次エネルギー消費量に関する事項」は、「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム(国立研究開発法人建築研究所)」による評価を行った場合は上段のチェックボックスにチェックをし、その結果を記載します。仕様基準の場合は中段のチェックボックスにチェックをし、下段「国土交通大臣が認める方法およびその結果」で行った場合はチェックしその内容を記載します。

(別紙)※軽微変更該当証明申請書では書式としてありません。

「外壁、窓等を通しての熱の損失の防止に関する事項」に性能基準または仕様基準を用いた場合、その結果を記載します。

㋒添付図書

設計内容説明書

設計内容説明書は計画建築物のエネルギー消費性能が建築物省エネ法第11条第1項に掲げる基準に適合するものであることを説明するものです。「標準入力法・主要室入力法」と「モデル建物法」で書式が異なります。

設計内容説明書:モデル建物法 設計内容説明書:標準入力法・主要入力法
モデル建物法 標準入力法・主要入力法

①「建築物の名称」は計画建物の名称もしくは物件名称を記載する項目で、省エネ計画書(第二面)【5.備考】の内容を記載します。

②「建築物の所在地」は省エネ計画書(第三面)【1.地名地番】の内容を記載します。

③「設計者等氏名」は省エネ計画書(第二面)に記載のある建築士を記入します。

④「建物等の概要」は申請建物の内容を記載する項目です。
モデル建物法における「床面積」は、省エネ計画書(第三面)【4.延べ面積】もしくは評価対象面積を記入します。よくある間違いで、省エネ計画書(第五面)【2.非住宅部分の床面積】(開放部分を除いた部分の床面積)を記入される場合がありますが、(開放部分)は評価対象外部分ではないため除いてはいけません。
標準入力法・主要室入力法の場合は、「一次エネルギー」の項目に作成した様式にチェックをします。
モデル建物法の場合は、「外皮の概要」と「設備の概要」および「結果」の該当する項目にチェックをします。
「設計者確認欄」は「適」もしくは「否」のチェックをします。評価を行わなかった設備等は、対象設備がないなどの確認を行った旨を示すため「適」をチェックします。

支援ツール計算結果(標準入力法・主要室入力法やモデル建物法)

省エネ計画における一次エネルギー消費量に係る基準への適合確認は、建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令(平成28年1月29日経済産業省、国土交通省令第1号)に定められた方法を用いて算出します。その方法は以下のとおりです。

①基準省令第1条第1項第1号イの方法(標準入力法・主要室入力法)

②基準省令第1条第1項第1号ロの方法(モデル建物法)

これらの方法は建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報(国立研究開発法人建築研究所)にて公開されており、そのプログラムを支援ツールと呼んでいます。各種支援ツールに必要事項を入力し、その結果で基準適合の可否を確認します。その結果を支援ツール計算結果としています。
支援ツールへの入力は入力マニュアルに従い記載します。またその入力内容を設計図書もしくは根拠資料に明示する必要があります。

設計図書と根拠資料

設計図書は建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行規則第1条に必要な図書が明示されています。以下にその図書の種類を記載します。
根拠資料は、支援ツール計算結果を作成する際に設計図書だけでは読み取れない部分や、入力マニュアルに記載のある明示事項が設計図書から読み取れない場合などは根拠資料で明示する必要があります。また、機器仕様書や日除け効果係数の計算書なども該当します。
設計図書は建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行規則第1条および建築士法第20条より建築士である旨の表示をして記名をしなければなりません。ただし、根拠資料に関しては、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行規則第1条第2項および省エネ適判部会QA集(平成31年4月版)S制度5-1より、表紙に建築士の旨の表示・記名を行えば、各項への表示・記名は省略できます。

  図書の種類 明示すべき事項
(い) 設計内容説明書 建築物のエネルギー消費性能が建築物エネルギー消費性能基準に適合するものであることの説明
付近見取図 方位、道路および目標となる地物
配置図 縮尺および方位
敷地境界線、敷地内における建築物の位置および申請に係る建築物と他の建築物との別
空気調和設備等および空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備(以下この表において「エネルギー消費性能確保設備」という。)の位置
仕様書(仕上げ表を含む。) 部材の種別および寸法
エネルギー消費性能確保設備の種別
各階平面図 縮尺および方位
間取り、各室の名称、用途および寸法並びに天井の高さ
壁の位置および種類
開口部の位置および構造
エネルギー消費性能確保設備の位置
床面積求積図 床面積の求積に必要な建築物の各部分の寸法および算式
用途別床面積表 用途別の床面積
立面図 縮尺
外壁および開口部の位置
エネルギー消費性能確保設備の位置
断面図または矩計図 縮尺
建築物の高さ
外壁および屋根の構造
軒の高さ並びに軒およびひさしの出
小屋裏の構造
各階の天井の高さおよび構造
床の高さおよび構造並びに床下および基礎の構造
各部詳細図 縮尺
外壁、開口部、床、屋根その他断熱性を有する部分の材料の種別および寸法
各種計算書 建築物のエネルギー消費性能に係る計算その他の計算を要する場合における当該計算の内容
(ろ) 機器表 空気調和設備 熱源機、ポンプ、空気調和機その他の機器の種別、仕様および数
空気調和設備以外の機械換気設備 給気機、排気機その他これらに類する設備の種別、仕様および数
照明設備 照明設備の種別、仕様および数
給湯設備 給湯器の種別、仕様および数
太陽熱を給湯に利用するための設備の種別、仕様および数
節湯器具の種別および数
空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の種別、仕様および数
仕様書 昇降機 昇降機の種別、数、積載量、定格速度および速度制御方法
系統図 空気調和設備 空気調和設備の位置および連結先
空気調和設備以外の機械換気設備 空気調和設備以外の機械換気設備の位置および連結先
給湯設備 給湯設備の位置および連結先
空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の位置および連結先
各階平面図 空気調和設備 縮尺
空気調和設備の有効範囲
熱源機、ポンプ、空気調和機その他の機器の位置
空気調和設備以外の機械換気設備 縮尺
給気機、排気機その他これらに類する設備の位置
照明設備 縮尺
照明設備の位置
給湯設備 縮尺
給湯設備の位置
配管に講じた保温のための措置
節湯器具の位置
昇降機 縮尺
位置
空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備 縮尺
位置
制御図 空気調和設備 空気調和設備の制御方法
空気調和設備以外の機械換気設備 空気調和設備以外の機械換気設備の制御方法
照明設備 照明設備の制御方法
給湯設備 給湯設備の制御方法
空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の制御方法
(は) 機器表 空気調和設備 空気調和設備の種別、位置、仕様、数および制御方法
空気調和設備以外の機械換気設備 空気調和設備以外の機械換気設備の種別、位置、仕様、数および制御方法
照明設備 照明設備の種別、位置、仕様、数および制御方法
給湯設備 給湯器の種別、位置、仕様、数および制御方法
太陽熱を給湯に利用するための設備の種別、位置、仕様、数および制御方法
節湯器具の種別、位置および数
空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備 空気調和設備等以外のエネルギー消費性能の確保に資する建築設備の種別、位置、仕様、数および制御方法

出典:建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行規則 第1条

委任状や省エネ計画書、設計内容説明書などの書式は、申請書式ダウンロードページで公開しています。多くの所管行政庁や登録省エネ判定機関は独自の書式を公開していますので、基本的に提出先が公開している書式を用いて作成することで、省エネ適合性判定通知書交付までスムーズに行うことができます。

建築確認検査と省エネ適判の流れ

省エネ適判の対象となる建築物を新築/増築/改築する場合、確認申請時に建築主は所管行政庁または登録省エネ判定機関の省エネ適判を受け、適合判定通知書の写しを建築主事または指定確認検査機関に提出することが義務付けられています。確認申請時や変更時では、省エネ適判で提出すべき省エネ計画書は異なります。

①確認申請時

確認申請時は、省エネ適判を受けるため建築物省エネ法における「省エネ計画」を提出し、適合判定通知書の交付を受ける必要があります。

②確認済証交付後〜完了検査前に省エネ計画に変更が生じた場合

確認申請時の計画が完了検査時までに変更になった場合、その変更内容に応じて建築物省エネ法における「変更計画書」を提出し再度省エネ適判を受ける、もしくは建築確認検査における完了検査申請時に「軽微な変更説明書(建築物省エネ法)」を提出する必要があります。

省エネ適判における軽微な変更はルートA/B/Cがあり、ルートAまたはルートBは「軽微な変更説明書(建築物省エネ法)」に必要事項を記入、変更部分の図書を添付し、完了検査申請時に併せて提出します。
軽微な変更ルートCに該当する場合は、「軽微な変更説明書(建築物省エネ法)」に添付する軽微変更該当証明書が必要であるため、「軽微変更該当証明申請書」を提出し、再度省エネ適判を受け、軽微変更該当証明書の交付を受けます。

軽微変更該当証明申請は、支援ツール計算結果や設計図書の審査が発生します。その申請から適合判定通知書交付までの期間は用途/規模/変更の内容によりさまざまですが、約1.5〜2ヶ月ほど要する場合が多くあります。完了検査までに軽微変更該当証明書が交付できるよう、余裕を持って申請をしてください。

→スケジュールにご注意ください〜完了検査と省エネ適合性判定に係る軽微な変更について〜

建築確認検査において計画変更は建築基準法第6条第1項で規定され、軽微な変更は建築基準法施行規則第3条の2で規定されます。省エネ適判の計画変更は建築物省エネ法第12条第2項で規定され、軽微な変更は建築物省エネ法施行規則第3条で規定されています。建築確認検査における計画変更や軽微な変更は、必ずしも省エネ適判における計画変更や軽微な変更とは一致しません。

建築確認検査における用途変更は計画変更に該当し、その変更内容によっては省エネ適判においても計画変更に該当する場合があります。この場合、計画変更確認申請における確認済証交付までに省エネ適判の計画変更による適合判定通知書の交付を受ける必要があります。

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