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「性能向上計画認定制度」について

(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第35条または第41条に基づく認定に係る認定制度)

2023/10/20up

性能向上計画認定制度は省エネ性能の向上に資する建築物の新築または増築、改築、修繕、模様替え若しくは建築物への空気調和設備等の設置・改修を対象とし、その計画が誘導基準に適合している場合、建設地の所管行政庁による認定(性能向上計画認定)を受けることができる制度です。性能向上計画認定を取得すると容積率特例などのメリットを受けることができます。
令和4年10月1日の建築物省エネ法の改正により評価基準に一部改正があり、より利用しやすくなりました。

詳しくは国土交通省「建築物省エネ法に基づく性能向上計画認定制度改正 ポイント」をご覧ください。

T.取得するメリット

性能向上計画認定を取得すると容積率特例(省エネ性能向上のための設備について、通常の建築物の床面積を超える部分を不算入(上限10%)とする)を受けることができます。容積率特例の対象となる、省エネ性能向上のための設備は 以下の1〜7に掲げる設備を設ける部分の床面積の合計について、通常の建築物の床面積を超える部分を不算入(上限10%)とすることができます。

  1. 太陽熱集熱設備、太陽光発電設備その他再生可能エネルギー源を利用する設備であってエネルギー消費性能の向上に資するもの
  2. 燃料電池設備
  3. コージェネレーション設備
  4. 地域熱供給設備
  5. 蓄熱設備
  6. 蓄電池(床に据え付けるものであって、再生可能エネルギー発電設備と連携するものに限る)
  7. 全熱交換器

また、よく似た認定制度に低炭素建築物認定制度があります。性能向上計画認定の違いは以下になります。

  • 一次エネルギー消費量基準および外皮基準達成(ZEB・ZEH基準)
     → 基準は同一です
  • 再生可能エネルギー利用設備の導入
     → 低炭素:必須、性能向上:必要ありません
  • 節水設備、雨水利用などの9項目中1項目を選択するなど都市におけるCO2削減のための措置
     → 低炭素:必須、性能向上:必要ありません
  • 対象地域は市街化区域等に限定
     → 低炭素:市街化区域等に限定、性能向上:地域限定はありません

性能向上計画認定では、「一次エネルギー消費量基準および外皮基準達成(ZEB・ZEH基準)」は必須ですが、「再生可能エネルギー利用設備の導入」、「節水設備、雨水利用などの都市におけるCO2削減のための措置」、「対象地域の限定」等の条件はありません。

また、容積率特例の上限については、低炭素認定住宅・建築物では延べ面積の5%ですが、性能向上計画認定住宅・建築物では延べ面積の10%となります。
なお、住宅ローン減税・登録免許税の特例については、認定低炭素住宅は対象ですが、性能向上計画認定住宅は対象外となります。

U.手続きの流れ

  1. (着工前に)審査機関に事前の技術的審査を依頼
    ※技術的審査の活用に先立って、各所管行政庁における技術的審査の取扱いを確認してください。
  2. 審査機関より適合証の発行
  3. (着工前に)所管行政庁に認定申請書(適合証を添付)を提出
  4. 所管行政庁より認定証の交付
省エネルギー性能の誘導基準 戸建住宅の場合

出典:国土交通省「建築物省エネ法に基づく性能向上計画認定制度 改正ポイント

V.性能向上計画認定申請のための基準

  1. 省エネルギー性能が建築物省エネ法に基づく誘導基準に適合するものであること。
  2. 建築物エネルギー消費性能向上計画に記載された事項が基本方針に照らして適切であること。
  3. 資金計画がエネルギー消費性能の向上のための建築物の新築等を確実に遂行するために適切なものであること。
  4. 複数建築物の認定を取得する場合、他の建築物についても、誘導基準に適合するものであること。

建築物省エネ法に基づく誘導基準とは

①省エネルギー性能の誘導基準

省エネ性能の水準については、現行のZEH・ZEB水準となります。

(1)戸建住宅の場合

戸建住宅の場合

出典:国土交通省「建築物省エネ法に基づく性能向上計画認定制度 改正ポイント

(2)共同住宅の場合

外皮の評価単位:各住戸適合

  • 一次エネルギー消費量の評価単位:住戸および共用部分の合算値(ただし共用部分については含めないことも可能)
    ※基準値については、戸建住宅と同様
共同住宅の場合

出典:国土交通省「建築物省エネ法に基づく性能向上計画認定制度 改正ポイント

(3)非住宅

外皮性能:PAL*が基準値以下

  • 一次エネルギー消費性能:省エネ基準から用途に応じて30〜40%以上削減
非住宅

出典:国土交通省「建築物省エネ法に基づく性能向上計画認定制度 改正ポイント

②認定申請単位

共同住宅等や複合建築物において、住戸の認定が廃止となり、複合建築物の住宅部分全体の認定が 可能となりました。

認定申請単位

出典:国土交通省「建築物省エネ法に基づく性能向上計画認定制度 改正ポイント

再生可能エネルギーの取り扱いが難しい場合や市街化区域外などで、低炭素建築物の認定が難しい場合、 性能向上計画認定制度のご利用をぜひご検討ください。